「結局どっち?」公認心理師と臨床心理士の違いが分からない…
心理士を目指そうと思ったとき、多くの人が最初にぶつかるのが「公認心理師と臨床心理士、どっちを目指せばいいの?」という悩みです。どちらもよく聞く資格ですが、違いが分かりにくく、調べれば調べるほど混乱してしまう人も少なくありません。
「国家資格のほうがいいの?」「臨床心理士のほうが有名?」「将来働きやすいのはどっち?」といった疑問が次々に出てきて、進路を決めるのが不安になりますよね。特に高校生や大学生の段階では、情報が断片的で、正しく比較できないことが多いのも原因です。
実際、なんとなくのイメージだけで選んでしまい、「思っていた進路と違った」と後から迷うケースもあります。だからこそ大切なのは、最初にこの2つの資格の違いをしっかり理解することです。違いが分かれば、自分に合った進路も自然と見えてきます。
公認心理師と臨床心理士の違いを表で確認!
| 項目 | 公認心理師 | 臨床心理士 |
|---|---|---|
| 資格の種類 | 国家資格 (公認心理師法による) | 民間資格 (日本臨床心理士資格認定協会) |
| 信頼性・安定性 | 高い(国の資格) | 高い(長年の実績と信頼) |
| 活躍の場 | 医療・福祉・教育・司法・産業など幅広い | |
| 就職のしやすさ | 有利な場合あり | 職場による(公認心理師が求められることも) |
| 取得難易度 | 約60%前後 | 約60〜66%(近年) |
| 取得ルート | 大学+大学院 または 実務経験 | 指定大学院修了が基本 |
| 試験方法 | 筆記試験のみ | 筆記試験+口述試験 |
| 資格の更新 | なし | あり(5年ごとに更新) |
※本表は各資格の一般的な特徴をまとめたものです。実際の働き方や就職状況は、地域や職場によって異なる場合があります。
公認心理師と臨床心理士の資格の違いを一発で理解する
公認心理師と臨床心理士の違いは、「資格の種類」「取得方法」の2つを押さえればシンプルに理解できます。
資格の種類
まず最も大きな違いは「資格の種類」です。
公認心理師は法律に基づいた国家資格で、国が定めた心理職です。
一方、臨床心理士は民間資格ですが、長年の実績があり、現場で高い信頼を得てきました。
つまり、
公認心理師=制度として整った国家資格
臨床心理士=現場で積み上げられた専門資格
という違いがあります。
2018年度以降、医療現場における心理職の評価は、原則として「公認心理師」に統一される流れとなりました。これは、国家資格である公認心理師の創設に伴い、診療報酬(医療機関の収入に関わる制度)上の基準が整理されたためです。
そのため、現在では医療分野を中心に、公認心理師の役割は年々重要性を増しています。実際に近年の診療報酬改定でも、公認心理師が算定対象となる加算(心理支援加算など)が新設されるなど、制度面での位置づけが強化されています。
また、これまで医療現場で働いていた臨床心理士などに対しては、国家資格へ移行できる「経過措置」が設けられていましたが、これは期限付きの制度です。そのため、今後は公認心理師を前提とした体制へと移行していくと考えられます。
一方で、臨床心理士の価値がなくなるわけではありません。臨床心理士は長年の実績と信頼があり、現在も多くの現場で活躍しています。ただし、職場によっては公認心理師の資格が求められるケースも増えており、資格の評価は働く環境によって異なるのが実情です。
※制度や要件は改定される可能性があるため、最新情報は厚生労働省等のサイトで確認することをおすすめします。
取得方法
公認心理師は、大学と大学院を経るルート、または実務経験を積むルートがあります。
一方、臨床心理士は指定大学院の修了が基本となります。
試験方法にもおいても、公認心理師は筆記試験のみですが、臨床心理士は筆記に加えて口述試験があります。そのため臨床心理士は、知識だけでなく実践的な力も評価される試験です。
また、資格取得後においては、公認心理師は更新制度がありませんが、臨床心理士は継続的な学びを重視し、5年ごとに更新が必要です。
一方で、取得難易度については大きな差はありません。
どちらも合格率は約60%前後で、しっかり対策すれば十分に目指せるレベルです。
公認心理師と臨床心理士どちらを取得するべき?
個人的な見解にはなりますが、結論から言うと、
可能であれば「公認心理師」と「臨床心理士」の両方を取得する、いわゆるダブルライセンスを目指すことをおすすめします。
その理由は主に3つあります。
① 就職において有利になる可能性がある
② クライアントや職場からの信頼につながりやすい
③ 学習内容が重なるため、同時取得の負担が比較的少ない
まず①についてです。
近年、医療や福祉の現場では国家資格である公認心理師が求められる場面が増えています。一方で、臨床心理士は長年の実績があり、特にカウンセリング領域で高い評価を受けています。
そのため、両方の資格を持つことで、応募できる職場の幅が広がる可能性があります。
次に②です。
資格は専門性を示す指標の一つです。ダブルライセンスであることで、「幅広い知識と経験を持っている」という印象を与えやすく、結果としてクライアントや職場からの信頼につながることがあります。
そして③についてです。
公認心理師と臨床心理士は、どちらも心理学を基盤とした資格であり、学習内容には多くの共通点があります。
そのため、別々のタイミングで取得するよりも、大学院在学中などにまとめて目指す方が効率的なケースも多いです。
ただし、注意点もあります。
臨床心理士は5年ごとの更新制度があり、継続的な研修参加や一定の費用が必要です。そのため、キャリアの方向性によっては、更新を続けるかどうかを検討する場合もあります。
また、すべての人にダブルライセンスが必須というわけではありません。
働きたい分野やキャリアによっては、どちらか一方に絞る方が適している場合もあります。
進路についてですが、高校生の方であれば、将来的に両資格の取得が可能なカリキュラムを持つ大学・大学院を選ぶことで、スムーズに受験資格を得やすくなります。
また、現在大学生で心理学以外の専攻の方でも、必要な科目を履修し、大学院に進学することでダブルライセンスを目指すことは可能です。
心理士の資格を目指す方におすすめしたい本を紹介!
これは私が大学院受験をするときに読んでいたものです。受験や資格試験で、心理学に関する偉人の名前を知っていて損はありません。ちょっとした休憩に少しずつ読んでみるのも面白いのではないでしょうか。
ただし、高価なので図書館や本屋で一度読むことをおすすめします。
臨床心理士を目指す人向けの定番ガイドです。認定協会が発行していて信頼性も高く、私も大学の先生に勧められて参考にしていました。
*本記事は筆者個人の経験や考えをもとに作成しています。特定の団体や心理士全体の意見を示すものではありませんので、あらかじめご了承ください。


コメント